冷たい檻
北陸地方にある村の駐在所から警察官が失踪した。県警本部から派遣された調査官・樋口透吾は、後任の駐在・島崎巡査部長と共に失踪の謎を追う。そして、過去に発生した事件や事故が、村に存在する大型複合福祉医療施設に関係していると気づいた。「施設」に収容されている人々は、認知症の老人、問題を抱える小中学生、更生が必要な若者たちのみ。経営母体は世界的巨大資本の製薬会社。それに群がる日本政官財の黒い欲望と闇。そして子どもたちの間で囁かれる「アル=ゴル神」。この村で、一体何が起きようとしているのか。二人の捜査が難航する中、さらに凄惨で不可解な殺人事件が発生した。連鎖しながら加速する事態は、樋口自身の過去にも繋がっていくー。慟哭の警察小説。