無限の猿
暴力とセックスに彩られた“私立探偵バート・スティール”のシリーズ最新作は、物議をかもすこと必定だった。会社の金を横領したハリウッドの大物プロデューサーをモデルにした暴露小説だったのである。案の定、原稿の存在が明らかになるや、作者のウェルドンは車ごと道路から追い落とされそうになり、何者かに狙撃された。排優業のあいまに探偵稼業で食いつなぐサクソンがウェルドンの護衛を引き受けることになった。サクソンは、大物プロデューサーやウェルドンの友人たちの周囲を調べ始めた。だが、彼の調査を嘲るかのように、再びウェルドンに危機が…。虚栄の街ハリウッドを舞台に排優兼探偵のサクソンが真犯人を追う。第1回私立探偵小説コンテスト第1席。