小説むすび | 漆黒の怒り

漆黒の怒り

漆黒の怒り

私立探偵アーロン・ガナーの決意は固かった。理由はどうあれ、自分の調査のせいで女が一人死んだのだ。これ以上探偵をつづけることは、良心が許さない…。だが、依頼人の女は魅力的だった。それに、依頼の内容もこれまでのような他人の秘密を覗き見する仕事とは違っていた。黒人優越論を唱える「決意の兄弟団」の指導的メンバーが暗殺された事件を調査してくれというのだ。目撃者の証言から犯人の身元をつきとめたガナーは、その白人至上主義の若者を捕まえようとスポーツ・ジムに張り込んだ。ところが何者かに襲われて意識を失い、気がついてみると、ジムの外に駐めておいたガナーの車には彼の拳銃で撃たれて事切れた若者の死体が置かれていた。人種問題に揺れるLAで、黒人探偵ガナーが暗殺事件の裏に隠された陰謀に迫る。第二回私立探偵小説コンテスト第一席。

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