小説むすび | オックスフォ-ド運河の殺人

オックスフォ-ド運河の殺人

オックスフォ-ド運河の殺人

モース主任警部は病院へと急ぐ救急車に横たわっていた。その朝、吐血して意識を失っているのを発見されたのだ。モースの脳裏に、自分の死亡記事がちらりとよぎった…。しかし、診断はたんなる胃潰瘍だった。長年の酒と煙草がたたったらしい。命に別状はないが、しばらく入院しなければならないという。退屈な入院生活の気晴らしに、モースはたまたま手にいれた『オックスフォード運河の殺人』をひもといた。ヴィクトリア朝時代の殺人事件を扱った研究書である。その書によると、1859年、一人旅の女性を殺した廉で二人の船員が死刑となっていた。しかし読み進むうちに、モースは著者がいくつもの重要な事実を見落としているのに気がついた。死刑になった二人は本当に有罪だったのか?モースの頭脳がめまぐるしく回転しはじめた。歴史のミステリの名作『時の娘』を髣髴とさせる設定で描く、英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー賞受賞作。

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