小説むすび | 骨と沈黙

骨と沈黙

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酔って帰宅したダルジール警視は、裏手の家の寝室で展開される光景に思わず目をこらした。灯がともり、カーテンがひらかれたと思うと、裸身の女性があらわれたのである。だが、つぎの瞬間、女性のわきには銃を手にした男が立ち、夜のしじまに銃声が轟いた。女の死体をまえにたたずむ男は、現場に駆けつけたダルジール警視にむかって、妻の自殺を止めようとして銃が暴発したのだと主張した。しかし、目撃者のダルジール警視は、こいつは殺人だと自信満々だった。はたして、どちらの主張が正しいのか?一方パスコー主任警部は、つぎつぎと警察に送られてくる自殺をほのめかす手紙の差出人をつきとめるよう、ダルジール警視に命じられていた。内容からして、謎の差出人は今度の事件に関わりのある女性と推察されたが…。人間の生と死に秘められた苦痛と謎を鮮烈に描いた本格傑作。英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー受賞作。

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