小説むすび | 匿名原稿

匿名原稿

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身に覚えのない罪で刑務所入りした主人公が復讐を誓い、出所後に自分を罠にかけた人物をつきとめようとする-。弱小出版社の社長の机のうえに忽然とあらわれた原稿は、ベストセラー間違いなしの傑作だった。だが、原稿には肝心の結末が欠けており、著者の正体も不明だった。私立探偵ジョン・タナーは出版社の社長から、著者をさがしだして残りの原稿を手に入れてくれと依頼された。原稿に目をとおしてみると、たしかに圧倒的な迫力があった。もしかすると、これは著者の実体験をつづったノンフィクションではないのか。そう考えたタナーは、原稿の記述を手がかりに調査をはじめた。過去に実際起きた事件を描いたものならば、主人公をはめた犯人は、いったい誰なのか?出版界を舞台に、知性派探偵ジョン・タナーが現実と虚構のはざまから真実を探りだす異色ハードボイルド。

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