小説むすび | 薄明かりの部屋

薄明かりの部屋

薄明かりの部屋

必死に逃げるエリザベスに、獰猛な犬が牙をむいて襲いかかった。だめだ、開かない。家じゅうのドアに鍵がかけられている。彼女は自分が監禁されていることにようやく気がついた…。絵画修復師のエリザベスは、日の当たらない地下室で、古い絵に囲まれひっそりと暮らしていた。ある日、絵画収集家として知られる富豪のトマス・ミルトンから住み込みで絵画の修復を頼まれた彼女は、ロンドンにある彼の住まいを訪ねた。そこは外界から完全に遮断された静かなマンションで、日当たりのよいスタジオを与えられたエリザベスは仕事に没頭する。だが、美しいものに異常な執着を示すトマスは、やがて彼女を幽閉し、しだいに常軌を逸した行動をとるようになっていった。囚われの身になった女性の心理を、二度の英国推理作家協会賞に輝くフランセス・ファイフィールドが別名義で描く、出色のサイコ・サスペンス。

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