最終章
「やめないと、おまえは死ぬ」アメリカのみならず、世界中の女性を魅了し続けるベストセラー作家シャンデリア・ウェルズのもとに届いた脅迫状。断わりきれぬ事情から、タナーはやむなくシャンデリアの身辺警護と事件の調査を引き受ける。次々に噴き出す疑惑の数々-別れた夫、トップの座を奪われた元女王、ふられた大富豪、盗作を叫ぶ作家の卵…だが、犯人の特定はもとより、何をやめろと言うのかすら判然としない。五里霧中のまま、ついに悲劇はタナーの目前で起きてしまった。慙愧の念を胸に、誇りと面子を賭けた、探偵の挑戦が始まる。