運命の星フェンリル(下)
横暴をきわめる太陽系世界政府のやりかたに、フェインと第1次植民者たる高地族の怒りが、ついに爆発した!航宙軍との前面戦争の火蓋が切って落とされたのだ。高度な科学技術を駆使する航宙軍を相手に、勇猛果敢なフェインを軸にして、高地族は捨て身のゲリラ戦法で挑む。だが、奇怪な機甲服を身にまとう航宙尖兵隊には、フェインの攻撃も歯がたたなかった。あまつさえ、ビュート族の族長の娘アーマーダも、航宙軍の手に落ちた。全高地族の指導者、ファンダン族の族長マザー・フェアは、無謀ともみえる作戦を命じる。とうとう、惑星フェンリルの命運はつきはてたのか?
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惑星フェンリルのキチン虫からしか産出されない長寿薬ーその莫大な利益をめぐって、原住種族フェインと同盟する第1次植民者と海岸ぞいに居住する第2次植民者とのあいだでは、激しい抗争が繰り返されていた。だが、地球の太陽系世界政府の本格的な介入で、すべての状況は一変した。新たに赴任してきた航宙軍提督シジミア・エンコフは、長寿薬の全権益を世界政府が掌握すると告げたのだ。航宙軍の圧倒的な軍事力を眼前にして、フェンリルの全住民がその提案を受諾するか否かの決断を迫られる。期待の新鋭が魅力的な異星世界を舞台にパワフルな筆致で描く一大戦争SF。 1988/04/01 発売