ネットの中の島々(下)
会談は決裂したー第三世界のデータ海賊のひとりが、正体不明の無人機械に殺されたのだ。疑心暗鬼におちいり、復讐にのりだすデータ海賊たち。だが情報社会に暴力が無意味であることを確信するローラは、彼らを再度交渉のテーブルにつかせるため、単身旅立つことを決意する。グレナダ…シンガポール…権力と軍、秘密警察が一体となってデータ海賊行為をはたらく国々。そこでローラを待ちうけていたのは、想像を絶する悪夢だった。90年代SFを担うスターリングが果敢に新機軸を切りひらき、キャンベル記念賞受賞に輝いた話題の傑作長篇。
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ネットの中の島々(上)ネットの中の島々(上)
時は21世紀。地球はひとつの巨大な“ネット”に包みこまれていた。情報化と核兵器廃絶で力を失った国家にかわり、ネット上で活躍する多彩な多国籍企業が地球を動かしているのだ。そのひとつ《ライゾーム》社の呼びかけに応え、第三世界のデータ海賊の大物たちが、社のゲストハウスに集結してきた。違法なデータ盗用と無意味な武力抗争に終止符を打つのが《ライゾーム》社のもくろみだったー。だが交渉開始の矢先、会談の責任者ローラの目前で悲劇が起こった…。気鋭作家が近未来情報化社会をリアリスティックに描いたSF問題作、ついに登場。キャンベル記念賞受賞。 1990/11/01 発売