小説むすび | スパイ・ストーリー

スパイ・ストーリー

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43日間に及ぶ北極海での調査行を終え、わたしはスコットランドの潜水艦基地に帰還した。情報機関を退き、ロンドンの軍事研究本部に勤務する身には、これも日常の仕事の一つにすぎない。だが昔借りていたフラットに、わたしを装う人物の影が現われ、陰謀好きの右翼政治家が事故に遭うなど、周囲で奇怪な事件が頻発。元上司のドーリッシュやKGBのシュトーク大佐も姿を見せ、背後に謀略の存在を仄めかす。否応なく昔の仕事に引き込まれ、再び厳寒の北極海へ赴くわたしを待ちうけるものは?巨匠が過去を断ち切れぬスパイの姿を哀感をこめて描く。

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