夜の国の逃亡者
雨の夜、公邸へ帰る枢機卿の車が、暗殺者に襲われた。運転手の一瞬の判断で枢機卿は難をのがれるが、その運転手は死亡した。数時間後、災厄は再び訪れた。公邸へ戻った彼を公安警察と称する男が拉致し、人里離れた建物の中に軟禁したのだ。いったい何が起こっているのか?不安と疑惑の霧を晴らすべく、枢機卿は脱出を決行、独力で調査を開始する。執拗な追跡者の手をのがれ、闇の世界をさまよう彼は、やがて驚くべき事実を探り出した!東欧の一国を舞台に、国家を揺がす隠謀を描くベストセラー・サスペンス。CWA賞、ブッカー賞候補作。