バビロンの影(下)
イラク内の暗殺決行地点をめざして潜行するハワードらを、予想外の敵がキャッチしていた。アメリカ国家探偵局のスパイ衛星が、彼らの足跡を捉えたのだ。正体不明のイラクへの侵入者を高空から追尾し、その目的を推察したアメリカ側は色めきたつ。国家安全保障会議は彼らの阻止を決断したが?各国の思惑もからむなか、数々の危機を乗り越えてハワードらは標的に肉迫していく。
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バビロンの影(上)バビロンの影(上)
1992年4月28日、イラクのティクリートでスナイバー・ライフルが三度火を吹いた。壇上の人影は、血煙をあげて倒れ伏した…。1991年の秋、イギリス海兵隊特殊舟艇部隊を退役し、いまは軍出身者を中心に警備会社を経営するハワードは、顧客からある建設会社社長ダーティングトンから驚くべき依頼を受けた。イラク大統領サダム・フセインの暗殺である。ハワードは実行チームの編成にかかった。アラブの専門家である部下ボーン、射撃の天才のスコットランド人マクドナルド、特殊空艇部隊出身のアッシャー、ローデシア空軍のパイロットだったデナードなど、各分野の最高の人材が集まってきた。周到な準備工作が進められ、やがてチームはさまざまな経路でサウジアラビアに集結、イラク潜入を開始する。ところが、アメリカの国家偵察局がスパイ衛星によって偶然にチームの動きを知し、追尾を開始した。はたしてフセイン暗殺計画の成否は?圧倒的なリアリティと面白さで話題をまいた、イギリスの大型新人登場。 1994/08/15 発売