小説むすび | 煙草屋の密室

煙草屋の密室

煙草屋の密室

ロンドンのビジネス街にあるささやかな煙草屋の二階に、切手商が間借りしていた。間借りといっても、切手商は週に二回しか部屋に来ず、しかも部屋には家具もカーテンも絨毯もなかった。ある日切手商のことを調べに刑事がやってきて、煙草屋の主人は俄然好寄心にかられた。切手商は、なんのために部屋を借りたのか。空っぽの部屋で何が行われているのか…築二百年を経た建物の意外な来歴が惹き起こした犯罪を描く表題作はじめ、ブラック・ユーモア、とぼけた味わい、あざやかなツイスト等、さまざまな趣好の逸品16篇を収録した初短篇集。

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