アインシュタインの夢
1905年、26歳のアインシュタインはスイスのベルン特許局で勤務しながら、革命的な物理学理論の研究にうちこんでいた。それは、彼の生涯でももっとも輝かしい年といわれるほど重要な論文がつぎつぎに発表された一年だった。特殊相対性理論の完成を目前にしたアインシュタイン。だが彼は、夜ごと奇妙な夢に悩まされていた。夢に出てくる異世界では、時間が循環したり、静止したり、逆流したり、しゃっくりしたり、目に見える次元になったり…と、ありとあらゆる奇妙な様相を見せる。夢と現実が重なりあうとき、この世界までもが変容を余儀なくされていった。現役物理学者が専門的知識と比類なき詩情、卓抜な想像力を融合させて、アインシュタインが見たかもしれない数々の夢を流麗に描きあげ、英米読書界に衝撃を与えた話題の傑作。