小説むすび | 殺意の海へ

殺意の海へ

殺意の海へ

フォークランド紛争で重傷を負い、ビクトリア十字勲章を授与されたニック・サンドマンは、二度と自力では歩けないと宣告された。だが、彼には絶対にあきらめきれない夢があった。唯一の生きがいである愛艇〈シコラクス〉に乗り、広大な南の海へ船出するのだ。ところが、〈シコラクス〉を繋留しておいたデボンへ帰ってみると、岸壁には別の船が繋がれ、〈シコラクス〉は装備を略奪されて陸上に無残な姿をさらしていた。繋留位置を占領していたのは、テレビの人気ニュースキャスターで有名なヨットマン、トニー・バニスターだった。彼はまた、海の悲劇に遭った男としても知られていて、外洋レース中の事故で妻を失っていた。だが、バニスターの妻は父親である海運王ヤシア・カソーリは、この事故が殺人ではないかと疑っていた。海を愛し自由を愛するヨットマン、ニックが捲込まれた洋上の陰謀と、不自由な体での不屈の闘いを描く、疾風怒涛の海洋冒険サスペンス。

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