小説むすび | ワトソン氏を殺す

ワトソン氏を殺す

ワトソン氏を殺す

100年前のフロリダ-無法の辺境地帯。貧しい白人の入植者、黒人逃亡奴隷の子孫、インディアンなどが流れこむ混沌としたこの地に、謎の男エドガー・J・ワトソンはやって来た。マングローブの茂る湿地帯で他の入植者が苦闘している間に、ワトソンは有能な農園主としてたちまち頭角を現わす。しかし、一方では黒い噂が囁かれていた。一見して完壁な紳士である男が、なぜ地の果てまで流れて来て、肌身離さず銃を持ち歩いているのか?もしや、西部の名高いお尋ね者、人殺しのワトソンと同一人物ではないのか?そして、1910年10月24日、最大級のハリケーンが一帯を襲った後の静寂の中、惨劇は起こったのだった-。謎と伝説に満ちた実在の男エドガー・J・ワトソンが、綿密な調査と物語の凄まじいエネルギーによって、神話から蘇る。ナチュラリストとしても高名な著者が、息を呑む迫力のストーリーテリングで描き上げる、自然と人間の叙事詩。

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