無実のI
六年前、妻のイザヘルを射殺した容疑で起訴されたデヴィッド・バーニーは、裁判で無罪の評決を受けた。だが、イザベルの別れた夫は、デヴィッドが莫大な遺産をめあてに殺人を犯したと信じて疑わず、わたしに事件の再調査を依頼してきた。当時、デヴィッドとイザベルは不仲で別居中だったうえ、彼は事件の数カ月前に、殺人に使われたものと同じ型の銃を購入していたという。さらにデヴィッドは裁判の直後、犯行を匂わす発言を知人にもらしていたらしい。新たな手がかりを求め、わたしは事件を探り始めるが、デヴィッドの有罪を裏付ける事実はひとつも見つからない。やはり彼は無実なのか?一カ月後には、法律で定められた出訴期限が切れ、二度と彼を裁判にかけることはできなくなってしまう。あせりを感じ始めたわたしをよそに、タイムリミットは刻々と迫る…。南カリフォルニアの女探偵キンジーがかつてない試練に立ち向かう、人気爆発の全米ベストセラー・シリーズ最新作。