秘密
スコットランドの片田舎でテクノロジーを拒否して、信仰を守りながら暮らす人びとがいた。彼らはラスケンタイアリアンと呼ばれた。癒しの超能力を持つ19歳の少女アイシスはこの教団の次期指導者である。4年ごとの「愛の祝典」が間近にせまったある日、従姉のモーラグから手紙がきた。改宗して教団を離れるという。モーラグを翻意させるため、教団はアイシスをロンドンに派遣することにしたが…テクノロジーの産物である自動車を使うことを禁じられているアイシスは、タイヤチューブの筏に乗って旅に出ることになった。教祖である祖父サルヴァドルの秘密、モーラグの真の生活の秘密、教団創設の秘密、消えた大叔母の秘密、アイシスの超能力の秘密。さまざまな秘密がやがて真実の姿を現わしてくる。
関連小説
PR誌編集部の小野田副編集長と部員の光子は気の合う上司と部下。それにお互いが結婚していることで、傍目にも危なげがなく見える。この両人が2人きりの秘密を楽しみ、完全不倫ときめこんだ。ところが…?(「秘密」書下ろし)。全作品をヤング・ミセスが巻き起こす不審な出来事で統一。現代物路線でも中津作品の幅を拡大した。 1988/07/01 発売
ジャーナリストのローダが長年放置してきた顔の傷痕を消す決意をしたのは、母親の再婚がきっかけだったのかもしれない。高名な形成外科医を訪ねた彼女は、医師の所有する荘園に滞在して手術を受けることになる。庭には古代のストーンサークルがあり、そこでかつて魔女が処刑されたという伝説が残っていた。手術の夜、そのストーンサークルに不審な光が…そして翌朝、ローダはベッドで扼殺死体となっていた。ダルグリッシュ率いる特捜チームが現場に急行するが、事件の影にはさまざまな秘密が!シリーズが、ついに重要な節目を迎える話題作。 2010/02/05 発売
物のはずみで起きた決闘で相手を斬殺した片桐宗春は、逆うらみによる敵討ちに狙われていた。己の正当のため討たれまいと逃亡に身を窶す宗春だったが、江戸に潜んで町医者として暮らすうちに触れた人情と心意気、肉親の縁にいつしかその心が変わりゆくー。秘密を抱え生きる男の姿を、円熟の筆が描く傑作長編。 2013/02/08 発売
その夜も啓太は街を徘徊していた。死体が入った冷凍庫のあるアパートに戻り悪夢を見たくないのだ。ゲイバーで出会った男、充は部屋を拝借するにはちょうどいい相手だった。愚鈍だが心優しい充に啓太は徐々に惹かれていく。そして啓太は過去を断ち切るため、充を伴い死体を隠した冷凍庫を海に捨てに行くが…。『箱の中』『美しいこと』を超える衝撃で迫る、恋愛小説の極北。 2013/12/14 発売
『忘れられた花園』のモートンが再び読者を誘う物語の迷宮。オーストラリアABIA年間最優秀小説賞受賞。母は、なぜあの見知らぬ男を殺したのか?少女だったローレルは確かに聞いたー「やあ、ドロシー、久しぶりだね」と彼が言ったのを。 2013/12/22 発売