小説むすび | 最後の600万秒

最後の600万秒

最後の600万秒

中国領海の近くで、ビニール・バッグに詰められた3つの人間の首が浮かびあがった。捜索に向かった皇家香港警察隊のチャーリー・チャン警部は、中国側の沿岸警備兵とはげしくもめたすえ、バッグの回収に成功する。鑑定の結果、数日前に市内で見つかっていた、商業用肉挽き機でミンチにされた死体と一致することが判明、返還を600万秒-約70日-後にひかえた香港の街には戦慄が走る。チャンは捜査を開始するが、その続行に対して、本国であるはずの英国政府から、やがて不可解な圧力がくわわりはじめた。背後で不穏な動きを見せる香港マフィア「三合会」の存在、さらには、中国南部の大部分を影で支配する人民解放軍の将軍までも渦中に巻きこみ、急速に混沌の渡合いを増していく真相の行方。そして、その間も、英国支配の香港が消滅する、1997年7月1日午前零時までの残り時間を告げるカウントダウンの時計は、容赦なく時を刻みつづけていく…。

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