小説むすび | 魂の絆

魂の絆

魂の絆

ニューヨークのスカイラインに、数え切れぬほどのクレーンが聳え立っている。この街は、かつてない建設ブームに沸いているのだ。飛び交う巨額の金。街を駆けめぐる狂躁。やがて、アイルランド系の犯罪組織が、さらなる金を求めて蠢きはじめる。街の空気がさらに澱み、黒くなっていく。暴力と流血の予感に、FBIが動き出す-この街で、ある兄弟の絆が、試練の時を迎えようとしていた。兄である元ボクサーのパディは、悪の道へと足を踏み込み、いまは組織に雇われている。弟のビリーは、弁護士を目指して大学で勉学に励んでいる。百八十度違う人生を歩む二人は、やがて暴力と強欲の抗争に巻き込まれ、互いに死力を尽くすことになる。血の絆を、守るために。

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