ララバイ
古代より伝わる「死の歌」は僕たちの世界を滅ぼすのか?乳幼児ぽっくり病の取材を進める新聞記者ストリーターは奇妙な事実に突き当たる。死亡した赤ん坊たちの家にはすべて、『世界の詩と歌』という本が置かれていたのだ。やがて、その中の一篇、アフリカ起源の子守歌に聴いた者を瞬時に殺害する魔力があると判明する。もし、この歌がラジオやテレビで流されたら?電話一本で証拠もなく誰かを殺せてしまうとしたら?僕たちが聴く音という音に歌が混じるかもしれないとしたら?戦慄に身を震わすストリーターは、この「間引きの歌」の秘密を知る魔女崇拝者のモナ、環境テロリストのオイスター、そして幽霊屋敷専門の不動産業者のヘレンとともに現存するすべての『世界の詩と歌』を処分するアメリカ横断の旅にでる。
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大晦日の夜。街じゅうがパーティで浮かれ騒ぐなか、刑事と鑑識技手で混みあうそのアパートだけは、ひんやりと重苦しい雰囲気に包まれていた。廊下には胸にナイフを突き立てられたベビーシッターの娘、そして幼児用ベッドには枕を押しつけられて窒息死した赤ん坊の死体があったのだから。パーティから帰宅して死体を発見した若夫婦の話から、赤ん坊が養子だと知ったキャレラとマイヤーは、実母を探すかたわら、ベビーシッターの娘にふられた元ボーイフレンドの行方を追った。一方クリングは、大晦日の晩に命を救ったプェルト・リコ人から、大がかりな麻薬取引の情報を流すともちかけられていた…。寒風吹き荒ぶアイソラの街で二つの凶悪犯罪に取り組む87分署の刑事たち-シリーズ40作目を飾る話題の大作。 1990/10/01 発売