小説むすび | ヴァンパイアはご機嫌ななめ

ヴァンパイアはご機嫌ななめ

ヴァンパイアはご機嫌ななめ

エリザベス・テイラー、通称ベッツィ。長身でブロンドの元モデル。職業はエグゼクティブ・アシスタント。高価なブランドものの靴を買うのが大好き。そんな彼女の30歳の誕生日は、最低最悪だった。まず寝坊してバスに乗り遅れ、会社に遅刻すると解雇を言いわたされ、天気が悪くて誕生日パーティーは中止、そのうえなんと、交通事故にあって死んでしまったのだ!さらに最悪なのは、目が覚めると棺の中で、安っぽいドレスに継母のお古の安物の靴をはかされていた!ショックのあまり、もういちど死んでしまおうとするが、ベッツィは死ねなかった。不死身のヴァンパイアになっていたからだ!?けれど、ヴァンパイアになったにしては、教会に行っても、十字架を持っても、聖水を浴びても、とくになにも起こらない。とはいうものの、ありとあらゆる男性がベッツィに色目を使ってくるようになる。血を吸ってくれって言いながら…。おまけにノストロなんていうヴァンパイアのボスからは手下になれと脅されるし、シンクレアというちょっといい男の吸血鬼からは、「あなたこそヴァンパイアの女王だ」なんてつきまとわれて、もうほんと、やってられないわ。

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