小説むすび | ひとりの双子

ひとりの双子

ひとりの双子

自分らしくいるために嘘をついた。それは、許されない罪なのか。アメリカ南部、肌の色の薄い黒人ばかりが住む小さな町。自由をもとめて、16歳の双子は都会をめざした。より多くを望んだ姉のデジレーは、失意のうちに都会を離れ、みなが自分を知る故郷に帰った。妹のステラは、その何年も前に、デジレーのもとから姿を消していた。いまは、誰も自分を知らない場所で、裕福に暮らしているという。白人になりすまして。いつもいっしょだった、よく似た2人は、分断された世界に生きる。だが、切れたように見えたつながりが、ふいに彼女たちの人生を揺さぶる。人種、貧富、性差ー社会の束縛のなかで、懸命に生きる女性たちを描く感動長篇。

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP