小説むすび | 無限角形 1001の砂漠の断章

無限角形 1001の砂漠の断章

無限角形 1001の砂漠の断章

無限角形ーそれは限りなく円に近く、決して円ではない多角的のこと。バッサム・アラミンはパレスチナ人。ラミ・エルハナンはイスラエル人。二人の住む世界は紛争に満ち、車の通行が許される道路、娘たちが通う学校、そして検問所まで、日常生活のあらゆる場面で、物理的にも精神的にも生きるための交渉が必要となる。バッサムの10歳の娘アビールがゴム弾で命を落とし、ラミの13歳の娘スマダーが自爆テロの犠牲となったことで、彼らの世界は取り返しのつかないほど変化する。互いの境遇を知ったバッサムとラミは、自分たちをつなぐ喪失感を認識し、いつしかその悲しみを平和のための武器にしていく。紀元前から現代まで、エルサレムを中心とした世界の神話、政治、文学、音楽など1001の断片を編み込んだ、家族と友情、愛と喪失にまつわる、私たちについての物語。

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