小説むすび | タスマニア

タスマニア

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2015年11月パリ。同時多発テロ直後の街を、ローマ在住の作家が訪れた。国連の気候変動会議COP21の取材のためだ。もう一つ、理由があった。不妊治療で妻とすれ違い、家を離れたかったのだ。それからも作家は、執筆を口実に、トリエステや世界各地をさまよう。そこで出会ったのは、親権争い中の物理学者、自爆テロ事件を追うフリージャーナリスト、研究の末に心の病に冒された宇宙物理学者。個人的で切実な問題と、つぎつぎと起こる世界的危機に引き裂かれながら、作家は対話と自問を重ねる。そして日本に向かい、広島・長崎で彼がたどり着いた答えとは。『コロナの時代の僕ら』の著者が、困難を生きる姿を赤裸々に描き、国際的に高く評価される傑作長篇小説。35カ国で刊行決定。

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