小説むすび | 夜、すべての血は黒い

夜、すべての血は黒い

夜、すべての血は黒い

百年前の戦争の苦しみと哀しみ、歴史に埋もれた声がよみがえる。セネガル歩兵のアルファは、瀕死の友をまえに決断を迫られていた。第一次世界大戦でフランスに動員された20歳のアルファと同郷の友マデンバ。対ドイツ軍の塹壕戦で、マデンバは死に瀕していた。腹を切り裂かれた苦しみは凄まじく、一思いに殺してほしいというマデンバの懇願に、アルファはー。この日を境にアルファは変わった。ドイツ兵を捕らえ、腹を引き裂き、苦しむ相手を殺してやり、手を切り落としてゆく。仲間からは英雄扱いされるものの、持ち帰る手が増えるたびに、恐れられていった。それでもアルファの復讐は止まらずに…。戦争という極限状況におかれ、人間性と非人間性、服従と自由に引き裂かれてゆく青年の心理を鮮烈に描き出す、新たな戦争文学の傑作。ブッカー国際賞、高校生が選ぶゴンクール賞受賞作。フランスで25万部突破。

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