さめない夢なのかさめてからが夢なのか。氷男は南極に戻り、建築家は眠りの衣をまとう。台風の目が心を裂き、チョコレートは音もなく溶けていく。村上春樹の短編小説の世界。
古い屋敷で留守番をする「僕」がある夜見た、いや見なかったものは何だったのか?椎の木の根元から突然現われた緑色の獣のかわいそうな運命。「氷男」と結婚した女は、なぜ南極などへ行こうとしたのか…。次々に繰り広げられる不思議な世界。楽しく、そして底無しの怖さを秘めた七つの短編を収録。 1999/10/08 発売