江戸時代のツアーコンダクター“御師”に導かれ、土佐の荒くれ鯨漁師たちや、安政の大地震の被害からようやく立ち直った江戸の庶民たちが伊勢神宮を目指す。お伊勢参りを舞台に、さまざまな人間模様を描く傑作時代小説。
奉納船を携え伊勢参りに向かう、土佐の荒くれ鯨漁師たち。安政の大地震の傷も癒えぬ江戸からは、豪商・伊勢屋の一行が船で伊勢を目指す。庶民の夢の旅を先導する御師の見識と器量が人の縁を豊かに結んでゆく。「伊勢で出会う江戸のこどもは、いずれ土佐に来る」御師の予言が成就する時、現れた景色とは。熱く爽快な傑作時代長篇。 2011/01/07 発売