渡し舟の船頭に身をやつしー男の目的はいったい何なのか。黒船が来航し、武士としての誇りを失いかけた男が選んだ道とは。
黒船が来航したその年。喜平次はわけあって素性を隠し、渡良瀬川のほとりで渡し船の船頭となっていた。村人たちに頼られる存在となりつつあった喜平次だが、一体彼の目的ー背負わされた宿命とは何なのか。時代の転換期、武士としての誇りを失いかけた男が、己の進むべき道を見極める姿を描く、傑作時代長篇。 2014/01/04 発売