医療とは何か、人間とは何かを根底から問う還暦を迎えた女医陽子。もはや先端医療の担い手ではない彼女は元同僚の病歴を読みながら、自身の半生をある思いと共に回想する。
還暦を迎えて既に先端医療の現場を離れた医師・江原陽子。ある日、彼女のもとに、研修医を介して奇妙な「病歴要約」が送られてくる。そこには過疎の村で終末期医療に奔走してきた元同僚・黒田の半生が記されていた。「医師は悪党」という黒田の言葉に込められた真意とは?人生を丁寧に生きようとする人たちの強さが息づく物語。 2015/07/10 発売