生死を分けたあの時間、男女が終わった瞬間、人生で最も大きな後悔と向き合う最後の時…。人生の分岐点を端正な文章で切り取った、十四の芳醇な現代短編。
あの日、私はあと十五分も土手でぼんやりしていたら、津波に呑まれていたかもしれない。奇跡のような十五分に恵まれた自分と、そうでない人とを比べて思うー。福島県の実家で震災に遭遇した女性の実人生に基づく表題作をはじめ、ままならない人生を直視する市井の人々を描いた大人のための名品14篇。芸術選奨文部科学大臣賞受賞作。 2018/09/04 発売