「ええ声」を持つ少年はいかにして「悪声」となったのかーほとばしるイメージ、疾走するストーリー。物語の名手が一切のリミッターを外して書き下ろした問題作。
廃寺のコケの上に置かれた赤ん坊「なにか」。「ええ声」を持つ彼は、ある夫婦に引き取られ「オニちゃん」と呼ばれて成長する。ある時、その特別な声を否定され、いつしか「悪声」となっていくー。迸るイメージ、疾走するストーリー。まっさらな姿勢で見たまま感じたままを連ね、河合隼雄物語賞を受賞した力作長篇。 2019/08/06 発売