あの日あの場所で何が起きたのか(「道成寺」)、助けられたかもしれない命の声(「黒塚」)、原発事故によって崩れてゆく言葉の世界(「卒都婆小町」)など、エンターテインメントの枠を超え、研ぎ澄まされた筆致で描かれた五編。
推理作家ミセス・オリヴァが名づけ親になったシリヤの結婚のことで、彼女は先方の母親から奇妙な謎を押しつけられた。十数年前のシリヤの両親の心中事件では、男が先に女を撃ったのか、あるいはその逆だったのか?オリヴァから相談を受けたポアロは“象のように”記憶力のよい人々を訪れて、過去の真相を探る。 2003/12/12 発売