新・二都物語
時は明治三十六年(一九〇三年)。ここに始まるのは、極東の島国で生まれた男たちの物語である。東北の寒村生まれの柾木謙吉は、生家が零落し、逃げるように故郷を離れ、出版王の書生になった。銀行頭取の息子で大阪のど真ん中で何不自由なく育った水町祥太郎は、高等遊民をしていた。生まれも境遇もまったく異なる二人であったが、関東大震災直後の東京で邂逅し、意気投合する。そして不思議な縁で、接点を持つことになるのだが…。ユーモアとペーソスあふれる長編小説。
時は明治三十六年(一九〇三年)。ここに始まるのは、極東の島国で生まれた男たちの物語である。東北の寒村生まれの柾木謙吉は、生家が零落し、逃げるように故郷を離れ、出版王の書生になった。銀行頭取の息子で大阪のど真ん中で何不自由なく育った水町祥太郎は、高等遊民をしていた。生まれも境遇もまったく異なる二人であったが、関東大震災直後の東京で邂逅し、意気投合する。そして不思議な縁で、接点を持つことになるのだが…。ユーモアとペーソスあふれる長編小説。