小説むすび | 天下の値段 享保のデリバティブ

天下の値段 享保のデリバティブ

天下の値段 享保のデリバティブ

出版社

文藝春秋

発売日

2025年8月7日 発売

世界初の先物取引所で繰り広げられる、享保の知られざる米騒動ーー大坂商人vs.将軍吉宗。究極の頭脳戦の行方はいかに!?

 時は江戸時代、天下の台所ーー大坂堂島には全国から米が集まり、日々、値が付けられ膨大な取引がされていた。特に盛んだったのが、先々の米価を扱う先物取引(デリバティブ)。商人たちは紙と筆と頭脳を用い、利鞘の多寡で泣いたり笑ったり。

 一方の江戸では、将軍吉宗はじめ、幕閣たちは忸怩たる思いを抱いていた。米価の変動はすなわち武士の年貢収入の変動であり、あろうことか、それらを商人たちが汗もかかず、意のままに決めている。そんな不実の商いは許すまじ、と堂島を支配すべく動き出すのだが……。

 市場の自治を守らんとする大坂商人たちと、武士の誇り(とお金)を懸けた江戸幕府との究極の頭脳戦!

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