家族
「現実の世界では、すんなり完全犯罪を
達成できてしまうこともあるんだって学んだんです」
2011年11月3日、裸の女性が交番に駆け込み、「事件」が発覚した。奥平美乃(おくだいら・みの)と名乗るその女性は、半年と少し前、「妹夫婦がおかしな女にお金をとられている」と交番に相談に来ていたが、「民事不介入」を理由に事件化を断られていた。
奥平美乃の保護を契機として、表に出た「死」「死」「死」…… 彼女を監禁していた「おかしな女」こと夜戸瑠璃子(やべ・るりこ)は、自らのまわりに疑似家族を作り出し、その中で「躾け」と称して監禁、暴行を主導。何十年も警察に尻尾を摑まれることなく、結果的に十三人もの変死に関わっていた。
出会ってはならない女と出会い、運命の糸に絡めとられて命を落としていく人々。 瑠璃子にとって「家族」とはなんだったのか。そして、「愛」とは。
「民事不介入」に潜む欠陥を日本中に突きつけた「尼崎連続変死事件」をモチーフとした、戦慄のクライムエンターテイメント!
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死を目前にした老父をめぐって、複雑にからみあう家族ひとりひとりの内面を、それぞれの独白の形で重層的に描き出した、亡き父への鎮魂小説「家族」。死の床でなお“性”への執筆を見せる老人と、それに最後まで向き合わざるを得ない医者の葛藤を描いた「さとうきび畑」などを収めた珠玉短篇集。著者自身によるあとがきを付す。 2003/08/01 発売
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家族はそれぞれの形・在り方が異なっている。同じものなど存在しないかもしれない。昭和を生きて、著者自身の青年期の葛藤や、老いた両親、兄弟ら家族との確執をつぶさに見つめながら、その心情をユーモアを交えて紡ぎだす。7つの短編。 2021/02/12 発売