小説むすび | 火の国の城 上

火の国の城 上

火の国の城 上

出版社

文藝春秋

発売日

2002年9月3日 発売

風呂の客のたくましい躰には傷痕がきざまれていた。(この客どの…もとは武士や)湯女の乳房が、客のあたまの上でおもたげにゆれている。後から入ってきた客がうかべたおどろきの表情に、二人とも気づかなかったようだ。伊那忍びの丹波大介は生きていたー。関ヶ原の戦から五年、きなくさい京で、忍びの血が呼びさまされた。

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