忍びの風 二
於蝶とともに信長の本陣を襲ったあの夜、半四郎は織田軍の中を必死に逃げのびた。五年余、かつて自分を弟のように扱ってくれた鳥居強右衛門にめぐりあい、織田・徳川の前衛として孤立した長篠城に立て篭る。信長を討つことに執念を燃やす於蝶はどこかで生きているのだろうか。於蝶の悲願も空しく、天正六年、安土城は完成した。
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「半どのに、会いとうて、ここへ来た…」はじめて女の体を教えてくれた於蝶と再会した半四郎。二人の忍びの交わりは戦場に熱く燃える。が、ただ独り信長の首を付け狙う於蝶との愛撫は、立場の違う半四郎の運命を変えてゆく。信長の小谷城攻めのさなか、決死の忍び働きに出た二人はかつての味方に包囲され散り散りになるが…。 2003/02/07 発売