乃木希典夫妻の生涯 静寂の声 下
傲慢だが照れ屋で、冷淡そうだがその実優しい、沢山の秀れたところと困ったところをもった、それ故に雅気愛すべき一人の人間を感じていたのである。改めて希典に関する資料を読むうちに、その思いはいっそう深まったが、同時に希典のうしろで見え隠れする夫人の存在が気がかりになってきた。妻も夫とともに死を願ったのか?現在へ続く日本人の夫婦の姿を描く伝記文学。文芸春秋読者賞受賞。
傲慢だが照れ屋で、冷淡そうだがその実優しい、沢山の秀れたところと困ったところをもった、それ故に雅気愛すべき一人の人間を感じていたのである。改めて希典に関する資料を読むうちに、その思いはいっそう深まったが、同時に希典のうしろで見え隠れする夫人の存在が気がかりになってきた。妻も夫とともに死を願ったのか?現在へ続く日本人の夫婦の姿を描く伝記文学。文芸春秋読者賞受賞。