風の果て 下
同時期に道場に入門した五人の仲間は各々の道を歩み、時代は移ろう。逼迫した財政を救うため、藩の長年の悲願だった太蔵が原開墾に向け、邁進する又左衛門。だが策謀と裏切りを経て手にした権力の座は、孤独であったー。人生の晩年期に誰もが胸に抱くであろう郷愁と悔恨を、あますところなく描いた傑作長篇。
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風の果て(下)風の果て(下)
かつての軽輩の子は、家老職を占めるに至る。栄耀きわめたとはいえ、執政とは孤独な泥の道である。策謀と収賄。権力に近づいて腐り果てるのがおぬしののぞみか、市之丞は面罵する。又左衛門の心は溟い、執政などになるから友と斬り合わねばならぬのだ。逼迫財政打開として荒地開墾の鍬はなお北へのびている。 1988/01/09 発売
風の果て 上風の果て 上
首席家老・桑山又左衛門の許に、ある日果し状が届く。恥知る気あらば決闘に応じよ、と。かつて同じ部屋住みで、同門・片貝道場の友であり、今は厄介叔父と呼ばれる市之丞からであった。 策謀と収賄。権力に近づいて腐り果てるのがおぬしの望みかー面罵する市之丞に、又左衛門はどう応えるのか…?運命の非情な饗宴をくまなく描いた、武家小説の傑作。 新装版の文庫解説は直木賞作家・葉室麟氏。 2013/02/08 発売