おめでとう
いつも束の間の逢瀬しかできない2人。年末の一日、初めて過ごした2人だけの長い時間。鍋を準備して、「おかえり」「ただいま」と言い合って(「冬一日」)。ショウコさんと旅に出る。電話の最中に「なんかやんなっちゃった」と声が揃ってしまったのだ(「春の虫」)。いつか別れる私たちのこの一瞬をいとおしむ短篇集。
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きんめ鯛を手土産に恋しいタマヨさんを訪ねる“あたし”の旅。終電の去った線路で、男を思いつつ口ずさむでたらめな歌。家庭をもつ身の二人が、鴨鍋をはさんでさしむかう冬の一日。ぽっかりあかるく深々せつない12の恋の物語。書下ろしをふくむ待望の最新短篇集。 2000/11/20 発売