壬生義士伝 上
小雪舞う一月の夜更け、大坂・南部藩蔵屋敷に、
満身創痍(そうい)の侍がたどり着いたーー。
貧しさから南部藩を脱藩し、壬生浪(みぶろ)と呼ばれた
新選組に入隊した吉村貫一郎であった。
“人斬り貫一”と恐れられ、妻子への仕送りのため守銭奴と蔑まれても、
飢えた者には握り飯を施す、庶民の心と優しさを失わなかった男。
元新選組隊士や教え子が語る、非業の隊士の生涯。
全日本人の心を揺さぶる浅田文学の金字塔。
第十三回柴田錬三郎賞受賞。
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吉村貫一郎が生涯かけて貫き通した「義」とはいったい何なのか。切腹を命じた大野次郎右衛門の真意とは…。感動の結末へと物語は進む。非業の死を遂げた男たちの祈りはかなえられるか。日本人の「義」を問う感動巨篇! 2000/04/24 発売