ストロボ
カメラマンの喜多川はある日、若い女性から余命短い母親の遺影用の写真を撮ってほしいと依頼される。母親はかつて喜多川に撮影されたことがあるというが、全く記憶にない。一体どんな因縁があったのかー(「遺影」)。50歳から22歳まで、フィルムを巻き戻すようにさかのぼって人生の哀歓を描き出す傑作。
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キャリアも積んだ。名声も得た。だが、俺に何が残されたというのか-。過ぎ去った時、遠い出会い、苦い別れ。女流写真家と暗室で愛を交わした40代、先輩を凌駕しつつも、若手の台頭に焦りを抱いた30代、病床の少女を撮って飛躍した20代、そして学生時代を卒業した、あの日。時間のフィルムを巻き戻し、人生の光と影をあぶりだす名編。50歳のカメラマン喜多川の脳裏によみがえる熱き日々。閃光が灼きつけたせつない記憶いまも疼く5つのシーン。 2000/04/20 発売