野犬に囲まれた夏の日の恐怖、アル中の母と住んだ少年期……歳月の隔たりを突き抜けて甦る記憶を鮮烈に刻み付け、苦悩と慰めの交錯する人生浮かび上がらせた九つの物語。宮本輝作品の中でも傑作中の傑作と呼び声の高い短篇集。解説・森絵都。
照りつける真夏の日差しのなかで味わった恐怖の時間。歳月のへだたりを突き抜けて蘇る記憶を鮮烈に刻みつける短篇小説の魅力。「真夏の犬」「暑い道」「階段」「力道山の弟」「香炉」他四篇。 1993/04/09 発売