冬の光
四国遍路を終えた帰路、冬の海に消えた父。高度成長期の企業戦士として、専業主婦の妻に守られた家庭人として、幸せなはずの人生だった。死の間際に想ったのは愛した女なのか、それともー四国で父の足跡を辿った次女の碧は、ある事実を知る。家族、男女関係の先に横たわる人間存在の危うさを炙り出した傑作長編。
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冬の光冬の光
あかりも中学1年生になった。とうさんも絵本作家としての活動を続け、個性的なライバルたちに刺激を受ける毎日だ。あかりの今の悩みと言えば、本の置き場がなくなってきた狭くるしい家と、とうさんと山名さんとの宙ぶらりんの恋の行方ー。思春期を迎えた多感な少女と父との、ちょっぴり変っているけれど魅力的な二人暮しを、やわらかな筆致で綴った、『優しさごっこ』の続編。 1988/07/01 発売