小説むすび | 悲歌大伴家持

悲歌大伴家持

悲歌大伴家持

出版社

徳間書店

発売日

1991年4月1日 発売

その生涯は不遇であった。奈良・聖武帝の御世に多感な青年期を送った大伴家持は、名門貴族の嫡男に生まれながら、都の政争の渦中で没落し、鄙の地・陸奥に没したとき、屍になってなお、謀反の嫌疑によって追罰を受けた。万葉集を編纂し、最多の歌を収めるこの歌人が、都を遠く去った越中や因幡、伊勢に詠った風景は、胸底にわだかまる憂愁であり、天平へのかなわぬ憧憬であっただろうか。歴史長篇。

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