レッドサンブラッククロス外伝(1)
大ドイツ帝国海軍潜水艦隊北米戦隊所属のUボート、U4982は、マイアミの根拠地から1950年最後の戦闘哨戒に出動した。「一体なんなのだ、こいつは」ブルーノ・ストランスキー大尉は海図を睨んだまま咳いた。隻数は5隻。うち4隻は駆逐艦。グアンタナモへの針路を15ノット前後に進んでいた。第2次大戦終結から8年-第3次大戦勃発からほぼ3年が過ぎた現在、駆逐艦のパッシヴ・ソナーで航走音を聞き取れる。「捜索用潜望鏡上げ。急速潜航に備えよ」相手は日本艦アキヅキ級…佐藤大輔の超人気作外伝登場。
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戦争はいかなる意味においても我々が考えているようなものではない。それを行うために大戦略は必須であるし、勇壮極まりない情景も存在しよう。だが大部分は、常識と、退屈極まりない時間の連続であるということもまた確かだ-日独対戦が激化するなか戦場に臨んだ兵士の内部に迫る圧力や米国上陸作戦の戦闘、大西洋上の商船護衛、米国土における日本軍に浴びせられる独軍戦車部隊の攻撃、冨岳によるベルリン爆撃そして戦後にまで視野を広げて、非日常の中で苦闘する日本側兵士たちの迫真の姿を熱描する一大戦場報告。 1994/11/30 発売