バールの正しい使い方
転校を繰り返す小学生の礼恩が、行く先々で出会うクラスメイトは嘘つきばかりだった。なぜ彼らは嘘をつくのか。友達に嫌われてもかまわないと少女がつく嘘。海辺の町で一緒にタイムマシンを作った友達の嘘。五人のクラスメイトが集まってついた嘘。お母さんのことが大好きな少年がつかれた嘘。主人公になりたくない女の子がついた嘘。さらにはどの学校でもバールについての噂が出回っているのはなぜなのか。やがて礼恩は、バールを手にとるー。僕はバールを正しく使えたのだろうかー。小学四年生からの三年間で、少年は現実の残酷さと優しさを知る。