西郷隆盛
坂本龍馬死す。五代才助に西郷隆盛から急報が届く。薩長同盟へ続く坂本と五代の因縁を覚えていたのだ。圧倒される五代だが、鳥羽伏見の戦い後、大久保一蔵から西郷が10年前に入水自殺を図った過去を聞く。物語はその10年前に遡りー。奄美流罪、倒幕、新政府との確執、そして西南戦争へ。ともに時代を駆けた人々が見た「英雄」の半生。
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近代日本の夜明け、明治維新に燦として輝きを放つ西郷隆盛。「西郷は真の政治家でありながら、世に横行する政治家ではない。西郷は詩人の魂をもった理想家であり教育家であった。芸術家になっても、すばらしい業績をのこしていたろう。そしてさらに、西郷は軍人でもなかったのである」と著者が言い切った西郷隆盛の半世紀の足どりを克明に追った伝記小説。西郷を通じて描かれた維新史としても読みごたえ十分の力作。 2006/03/25 発売
薩摩の下級藩士の家に生まれた西郷隆盛は、安政元年、第十一代藩主・島津斉彬の参覲に伴い江戸勤めを命じられる。敬愛する斉彬の傍でお庭方として仕えながら水戸藩の藤田東湖から学ぶうちに、天下のことに目覚めていく西郷。折しも外国船来航により開国派と攘夷派の対立が深まる中、一橋慶喜擁立のために暗躍するものの、志半ばで斉彬が亡くなってしまい…。海音寺潮五郎が不退転の覚悟で臨んだ、史伝文学の最高傑作。 2017/05/25 発売
島津斉彬の死後、藩命により潜居していた大島(奄美)で、砂糖専売などの薩摩藩による苛政を目の当たりにした西郷隆盛。改革に取り組む西郷は、島人から指導者として慕われるようになり、やがて愛加那という妻をめとる。そのころ薩摩藩は八月十八日の政変により京都政界での発言力を高める一方で、有能な人材が払底していた。窮地を打開するため同志らの働きかけで西郷は召還され、幕末の動乱に身を投じていくがー。 2017/06/17 発売
幕府に安政条約締結と長州再征への勅許が下ったことで、将軍辞職による幕府瓦解の工作が失敗におわった薩摩藩。西郷隆盛は同盟の機は熟したと判断し、黒田清隆を長州へ送り込む。坂本龍馬の活躍もあり、一時は不可能と思われた薩長同盟が成立。雄藩による革命の機運は高まり、武力による討幕は避けられない状況となっていた。一方、家茂の死後に将軍職を継いだ慶喜は、徳川氏としての勢力を維持するために大政奉還を決意する。4か月連続刊行、第3弾! 2017/07/25 発売